イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

COLUMN

- コラム

「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

野菜を美味しく食べて健康に(4)

管理栄養士・野菜ソムリエプロ 篠原絵里佳

甘くて旨い冬の定番野菜「白菜」

 鍋の定番の具材といえば白菜。寒さが増してくる11月頃から2月頃に旬を迎える白菜は、寒さから身を守るために細胞に糖を蓄えるので、寒くなるほど甘くなります。白菜にはグルタミン酸という旨み成分が含まれているため、鍋やスープのように煮込むことでより甘みと旨みが出て、とろけるような柔らかい食感も生まれます。味にクセがなく、水分が多いため、生のままサラダにしたり、漬けものにすると、味がしみ込みやすく、シャキッとした程よい食感も残ります。サラダには、甘みが強いオレンジ白菜や葉が柔らかい紫白菜もお勧めです。特に紫白菜は、茹でたり煮たりすると煮汁に色が流出してしまいますが、サラダにして食べると彩りを活かすことができて、食卓も華やぎます。また、一玉は大きくて食べきれないという場合は、重さが1kg前後のミニ白菜を利用するとよいでしょう。
 白菜には、ずば抜けて豊富に含まれる栄養素はないものの、さまざまな栄養素やアミノ酸が含まれています。最近はカットされて販売されることが多いですが、カットされても成長を続け、外側の葉から内側の葉へ栄養分が送られます。断面が時間の経過とともに膨れていくのはそのためです。購入後は、栄養を保つために内側から使い始めるようにしましょう。
(2025年1月号掲載)

春を告げる菜の花

 春を告げる野菜の代表格である「菜の花」は、アブラナ科の植物の黄色い花の総称です。菜の花には、観賞用や菜種油用のナタネ、食用の菜花があり、それぞれ品種が異なります。アブラナ科には、ブロッコリー、カリフラワー、チンゲンサイ、ターサイ、小松菜、キャベツ、白菜などがあり、一般的に流通している食用の菜花の多くは品種改良されたものです。食用の菜花は、花の見ごろを迎える前の2~3月が旬で、若くて柔らかい花茎や葉、つぼみを食します。
 「春の皿には苦味を盛れ」と言われますが、これは老廃物が溜まりやすい冬の体を苦みの成分の働きでリセットさせるために、苦みのある食べものを積極的に採り入れようという先人の教えです。菜花にも特有の苦みがありますが、これは植物性アルカロイドという成分です。この成分には、腎臓のろ過機能や肝臓の解毒作用をサポートして、体に溜まった老廃物を体外へ排泄する働きが期待されます。また、抗酸化ビタミンのカロテンやビタミンE、ビタミンCも多く、特にビタミンCは、野菜の中でもトップクラスの含有量です。紫外線が強くなり始めるこの時期には、活性酸素から身を守るためにも積極的に採り入れたい野菜です。茹でることで甘みが出るため、おひたしや和えものにしたり、炒めものや揚げものにしても美味しくいただけます。
(2025年3月号掲載)

キャベツ

 年間を通して食されるキャベツですが、季節によってその味わいは異なります。今が旬の春キャベツは、巻きが緩くてふんわりとしており、切ると内側まで黄緑色をしています。甘くてみずみずしく、柔らかいため、サラダや浅漬けなど、生で食べるのがお勧めです。そして味わえる期間が限られているので、旬を感じることもできます。7月頃からは、夏秋キャベツが収穫されます。別名「高原キャベツ」とも呼ばれ、北海道や長野県、群馬県などの涼しい地域で収穫されます。巻きがしっかりしていて葉は厚めですが、柔らかくて甘みがあります。春キャベツと冬キャベツの良いとこ取りをしているようなキャベツです。生でも加熱しても美味しくいただけます。冬キャベツは、葉が厚くなり、巻きもしっかりしています。切ると内側が白いのが特徴です。煮込んでも崩れにくく、甘みが増すため、ロールキャベツなどの煮込み料理や、お好み焼きのように焼いたり、炒めたりするのもお勧めです。
 キャベツに豊富なビタミンCは熱に弱い性質をもつため、サラダのように生で食べるのがお勧めです。また、煮込みや炒めものなど加熱するとカサが減り、量を食べることができるため、食物繊維をしっかり摂ることができます。キャベツをいろいろな調理法で味わうことで、美味しさや、取り入れやすい栄養素もそれぞれ変わってきます。
(2025年5月号掲載)

暑い夏には、旬の枝豆を食べよう

 枝豆が美味しい季節です。枝豆の旬は5月頃から10月頃までと、長い期間楽しむことができます。東北では8~9月に、西日本や九州などでは5~6月に収穫のピークを迎えますが、8割以上が関東やその以北で生産されており、6~9月が店頭に並ぶ真っ盛りになります。品種もたくさんあるため、お気に入りの品種を見つけてみましょう。また、枝豆は鮮度低下が早く、収穫後は急速に糖分やグルタミン酸が減って味が落ちていきます。購入後すぐに茹でることで、美味しさも栄養も保つことができます。すぐに食べない場合は硬めに茹で、しっかり水分を切ってから冷凍するのがお勧めです。
 未成熟な大豆を収穫した枝豆は、野菜でありながら多くの栄養素も兼ね備えています。タンパク質、ビタミンC、鉄、カリウム、食物繊維など、現代人が不足しやすいさまざまな栄養素が豊富に含まれています。特筆すべきは、ビタミンB1です。糖質の代謝を促す働きがあるため、素麺やうどん、アイスクリーム、ビールなどの糖質が豊富な食品を食べる機会が多い夏は、ビタミンB1をしっかり摂ることで、疲労回復や夏バテ予防などの効果が期待できます。ビタミンB1は水に溶けやすい性質があるため、少量の水を入れたフライパンで蒸し焼きにすると、栄養素や旨みを逃がさずにいただくことができます。
(2025年7月号掲載)

旬を迎えるレンコンの楽しみ方

 レンコンは10個の穴が開いており、穴の向こう側が見えることから、「将来の見通しが良い」として縁起の良い食べものとされています。1年を通して流通していますが、秋から冬に旬を迎えるレンコンは「晩秋レンコン」と呼ばれ、甘みや粘り気が強くなるのが特徴です。旬の時期より少し早く収穫されるレンコンは「新レンコン」と呼ばれ、晩秋レンコンと比べると、みずみずしくて灰汁も少なく、シャキッとした食感が特徴です。
 レンコンは、切り方によって味わいが変わります。輪切りのように繊維に垂直に切ると、ホクホクとした軟らかい食感になります。半月切りで薄切りにしてサラダに、厚めの半月切りはソテーや煮物に向きます。一方、繊維に沿って縦に切ると、シャキシャキとした食感やしっかりとした歯応えが楽しめます。適当な長さに切り、縦に端からお好みの幅で切って、炒め煮にするのもお勧めです。乱切りは、どちらの特徴も兼ね備えた切り方で、筑前煮のような煮物に適しています。
 栄養素で特筆すべきはビタミンCです。活性酸素を除去して血管を健康に守ってくれたり、美容や健康に欠かせないコラーゲンを作ってくれたりします。また、免疫力を強化する働きもあるため、風邪や感染症予防に役立ちます。
(2025年9月号掲載)

根も葉も美味しいかぶ

 かぶは1年を通して流通していますが、旬は春と秋の2回あります。春に収穫されるかぶは、育つスピードが早いため、みずみずしくて軟らかいのが特徴です。そのため、加熱せずに生で食べるのがお勧めです。一方、秋から冬にかけて収穫されるかぶは、寒さの中でじっくり時間をかけて育つため、甘みが強く、歯ごたえもあります。ポトフなどの煮込み料理に使うと、より甘みが引き立ち、加熱することでとろっとした食感になります。1年のうち11月から1月にかけてもっとも多く出回り、美味しい旬を迎えます。日本では古くから親しまれており、全国各地でさまざまな品種が栽培されています。一般的なのは白い小かぶですが、赤、黄、紫など色とりどりのものもあり、大や小、長いものなど形もさまざまです。お気に入りを見つけるのも楽しいですね。
 根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜で、それぞれに栄養面での特徴があります。根はデンプンの消化酵素であるアミラーゼが含まれており、整腸作用や胃もたれを解消する効果が期待できます。アミラーゼは高温で加熱すると失活するため、その効果を期待したいときは、すりおろして生でいただくのがお勧めです。葉は栄養価が高く、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eが豊富に含まれます。ビタミンAとビタミンEは脂溶性なので、油で炒めると吸収率が高まります。
(2025年11月号掲載)

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