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COLUMN

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「月刊クリンネス」に掲載された
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(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

クレーム対応メールの書き方のポイント

一般社団法人 日本ビジネスメール協会 認定講師 長野裕香
▼一般社団法人日本ビジネスメール協会▼
https://businessmail.or.jp/

 クレームメールへの返信は、書き方次第では、その後のやり取りをこじらせてしまう、不快にさせてしまうというおそれから、言葉遣いを含め返信内容を熟考する必要があります。文章作成に非常に時間がかかることから、書き方のポイントについてよくご相談を受けます。そこで、クレーム対応の基本をご紹介いたします。
 まず具体的なクレームの意図と本意を探ります。先方からのメール文でクレームの内容が把握しにくい場合、違った意図で読み取って返信をしてしまうとよけいに関係を悪化させてしまうため、電話などでの対処も選択肢に含めてください。またそれがどのような内容であったか、どのような対応をしたのかも、社内で共有し、今後の対応に活かすところまでできるとさらによいでしょう。
 また返信は早ければ早いほどよく、遅くても24時間以内の対応が必要です。迅速に対応するだけでも良い印象を与えることができます。もちろんすぐに対応できない場合は、社内で対応が進んでいることと併せて、「また〇日頃(何日以内)に改めてご連絡します」といったん返信します。もちろん自動返信システムで、休日や夜間も、ひとまず受け付けたことを相手に伝えることは可能ですが、改めて「メールの向こうで人が対応している」ことを伝えるのが重要です。
(2025年2月号掲載)

 メールでのクレーム対応は、対面や電話のように謝罪を声や態度で伝えることができません。文章だけで十分な謝罪の気持ちを相手に伝えることはとても難しく、気持ちを込めて注意して書いた文面でも、相手に不快感を与えてしまう可能性があるため、よりいっそう配慮する必要があります。具体的なアドバイスとしては、文章をトータルで見てくださいということになりますが、「お手数ですが」、「恐縮ですが」、「よろしければ」など、相手の気持ちを和らげるクッション言葉を用いて工夫するのも一つです。
 また文章がわかりやすいか、不快な印象を与えないかなど、送信前には入念にチェックをしましょう。普段なら「お互いさま」とトラブルになりにくい相手の名前や表記の誤りも、命取りとなることもあります。先輩や上司などにも見てもらい、ミスを防ぎましょう。クレームメールの返信では、なぜか、いつもなら考えられないような誤りを犯し、それが致命傷となることがありますのでご注意ください。
 そして、クレームメールの送信者がどのような関係のある方かの確認も事前に行っておくべき作業です。リピーターなのか、新規顧客なのかによって表現を変えます。過去の対応履歴を見直し、以前にもクレームがあった顧客の場合にはより慎重な対応を心がけましょう。
(2025年4月号掲載)

 メールでのクレーム対応は気を遣いますが、対面や電話とは違い、事前に準備し、社内で返信メールの内容を確認した上で送信できるメリットもあります。そこで、事前に確認が可能である「メールの書き方・文章の考え方」について、メールの型に沿ってご紹介いたします。
 まず件名は「◯◯についてのお詫び」とするのがわかりやすいでしょう。「お問い合わせいただきました◯◯の件について」では、謝罪の意思が伝わりません。
 宛名は、社名と部署名・役職名、担当者名に敬称を記載します。個人の場合は、氏名と敬称になります。さいとうさんの「斎・齊」の字のような漢字間違い、打ち間違いがないよう、いつも以上に気をつけます。
 書き出しは、いつもご利用いただいているお客様なら「平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」、利用頻度が低いお客様なら「弊社の本サービスをご利用いただき、心より御礼申し上げます」という具合に挨拶文を使い分けると、相手とその状況を具体的に認識している印象が出るのでよいでしょう。日常的なビジネスメールで使われる「お世話になっております」、「いつも大変お世話になっております」という挨拶は、クレーム対応のメールとしては少し軽い印象になってしまうので、避けたほうが無難であるとされています。
(2025年6月号掲載)

 今回は、クレームメールの返信を書くときの要旨と詳細のポイントについてご紹介いたします。
 相手からのクレーム内容と、何に対して不満を抱いているのかを把握した上で、それに対する謝罪を記すのが「要旨」です。端的かつ適切に表現します。一方、こちらに落ち度がなく特に謝罪すべきことがない場合もあるでしょう。そんなときは、相手を不安(不快)にさせた、迷惑をかけたという状況に対して謝罪しましょう。「この度は『◯◯』の発送期限の件でご心配をおかけしており、大変申し訳ございません」というような表現の仕方になります。
 「詳細」では、具体的な対策を書きます。内容、数量、期限、金額など、なるべく具体的な数字を記載するよう意識しましょう。明確な数値化が難しい未確定の事項があれば、「1週間ほど」「100個ほど」といった表現で目安を示し、詳細がわかり次第、連絡する旨を伝えます。さらに、トラブルの事実や背景について正直に伝えることで、真摯にクレームと向き合っているというお客様に対する誠実な姿勢、また対策内容が見えることで安心感を示すことができます。トラブルが起こった原因がすぐに判明しない場合は、調査中であることを伝えて、後日改めて連絡する旨を記すとよいでしょう。
(2025年8月号掲載)

 今回は、結びの挨拶のポイントをご紹介いたします。
 結び(締め)の挨拶はメールの内容にふさわしいものにすることが大切です。そのため、通常であれば「(上記のメール内容について)どうぞよろしくお願いいたします」という締めで良いことが多いですが、クレームの場合は、同じ間違いでご迷惑をおかけすることのないよう努める旨や、再発防止への取組み、今後このようなことが起こらないよう〇〇を徹底することなどを最後の一文に記し、結びの挨拶として伝えるのが良いでしょう。
 失敗事例として、文面で丁寧に謝罪した後の結びの挨拶で「以上、よろしくお願いいたします」と書いてしまったことで、「謝罪はここまで。これからまた今まで通りよろしくお願いいたします」という印象を先方に与えてしまい、さらなるクレームになってしまったというケースがありました。送信側は、いつも通りの定型挨拶文として「以上、よろしく……」を使っただけなのですが、受け取る側の感じ方を考慮しなかったことや、これまでのやりとりにより思わぬところで不快感が蓄積されていたことを想定できなかったことが相手を怒らせる原因となってしまいました。普段なら問題ない挨拶でも、クレーム対応時には特に注意が必要です。
(2025年10月号掲載)

 これまで、クレーム対応で注意すべきポイントについて解説してきましたが、加えて、自社に非がない場合や、先方の希望に応えられないケースについても押さえておきましょう。
 自社に非がなくても、顧客の誤解や思い違いが原因でクレームが発生してしまうことがあります。普段であれば端的かつわかりやすく事実を伝え、その後に双方のとるべき行動を進めることを重視したメッセージを書きますが、このような場合、相手の間違いを明確に指摘することは逆効果です。できるだけ相手に不快感を与えずに誤解を解くことを意識しましょう。
 また、対応できないことは、「できない」とはっきり伝えることも大切です。たとえば、〇日と希望があるがその日は難しい場合、「〇日はご対応いたしかねます」などと伝えます。もしここで「〇日は厳しいが、できないことはない。ただ、できればご協力を……」というようなあいまいな返事をしてしまうと、誤解を生む恐れがあるため、このような状況は避けなければなりません。もちろん単に断るだけではなく、「いつなら」「どのような条件下なら」可能かという代替案を併せて示しておくことで、相手はどう対処すべきか判断しやすくなり、断った印象をやわらげることができます。
(2025年12月号掲載)

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