イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

COLUMN

- コラム

「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

食品工場での衛生管理のポイント(2)

イカリ消毒編『食品工場必携 食品衛生べからず集』(2009年発行)改編

ルールの遵守と最終確認

 製品をつくるための手順や基準は、その製品にとって問題が起こらないようにするためにあります。原料の配合割合などもそのひとつですが、加熱工程の温度や時間(〇〇℃以上+〇分以上など)というルールは、雑菌を殺すという大切な理由があります。製造のルールを守って、安心で安全な製品をつくるように心がけましょう。
 また、製品の最終確認は、もっとも重要なことでありながら、実は意外と油断しやすいところでもあります。その理由として、「最終的な段階に来るまでに、数々のチェック工程をクリアしてきたのだから、間違いはないであろう」と思い込んでしまうことが挙げられます。最終確認では、日付や個数の確認など定められたチェック項目だけではなく、「普段と違うことはないか」など、常に「何かあるかもしれない」という気持ちで確認することを心がけましょう。
 確認の過程で不合格品が出た場合、誰が見ても「不合格品」だということをわかるようにしなければなりません。不合格品には、なぜそれが不合格品になったのかの理由も含めて表示する必要があります。そうしなければ、理由を知らない人がうっかりと出荷してしまうことも考えられるからです。合格品と不合格品が混同しないような識別をしっかり行い、決められたルールを守るようにしましょう。
(2024年9月号掲載)

原料・製品の保管温度と期限の遵守

 原料や製品の保管温度は、主に細菌の増殖を制御するために設定されています。世の中には多種多様な細菌が存在しています。細菌は通常、低い温度であればなかなか増殖しません。しかし、中には比較的低い温度下でも増殖できる細菌もいます。人間の感覚だけで「温度が低いから大丈夫だろう」などと安易に考えるのではなく、決められた保管温度はきちんと守るようにしましょう。
 冷蔵庫や冷凍庫を開けたままにしておくとどうなるでしょう。当然、庫内の温度が上がって、保管してある原料や製品の温度も上がります。そうなると、低い温度により増殖を制御されていた細菌が活発に活動を始めます。つまり、ものが腐り始めたり、食中毒を起こす細菌が増殖したりしてしまうのです。また、一度増殖してしまった細菌は、再び冷蔵庫などで冷やしても減ることはありません。冷蔵庫や冷凍庫の戸締りはしっかりと行い、目で確認するようにしましょう。
 また、原料や製品の先入・先出がきちんとできていないと、古い原料や製品がいつまでも残ってしまうことになります。期限が切れてしまうと使いものにならず、廃棄するしかありません。工場にとっても無駄な損失となります。原料や製品を取り扱う前には、必ず期限を確認し、古いものから使うようにしましょう。
(2024年10月号掲載)

使った備品類は必ず決められた保管場所へ

 操作盤や配電盤の中に、手袋やウエス、工具などを置いていませんか。これは、虫やネズミなどの住処になりやすいとともに、漏電などを発生させてしまうおそれがあります。そして、備品類などが紛失したことに気づきにくい状態ともいえます。小さな工具であれば、製品に混入してしまっても気づかないでしょう。
 また、操作盤の上やライン上に筆記用具や工具などを「少しの間だからいいや」と置いてしまうことはありませんか。そして、そこにあると便利なため、ついつい本来の保管場所に戻さず、置いたままにしてしまうことはないでしょうか。たいしたことのないように思われるかもしれませんが、実は大変危険です。なぜなら、置いたことを知っているのは置いた人だけ、なくなったことに気づくのも置いた人だけだからです。作業に集中するあまり、置いたことすら忘れてしまうこともあるかもしれません。万が一製品に入ってしまっても、気づかないケースが少なくないのです。所かまわずものを置くようなことは避け、使ったものは必ず元の場所に戻すようにしましょう。
 作業場の近くに備品や工具などを一時的に保管する場所が必要なのであれば、責任者などに話をして、適切な保管場所を用意してもらいましょう。
(2024年11月号掲載)

器具管理のポイント

 破損や劣化した器具をそのまま使い続けると、製造中にその破損箇所が大きくなり、最悪の場合、破片が製品に混入してしまうかもしれません。混入異物の多くは小さく、見た目にはあまり目立たないため、食品に一度混入してしまうとわかりづらく、なかなか見つけることができません。製造時には使用する機械や器具などに破損や劣化がないか、必ずチェックするようにしましょう。
 また、汚れた器具を使って製造を行うと、その汚れが製品に付着・混入して異物になりかねません。汚れが足掛かりとなり細菌が繁殖しやすい環境になりやすく、このような器具を使うことによって製品を汚染させます。こうした危険を避けるため、使用した器具はそのままにせず、すぐに洗浄しましょう。そして、保管場所も常に清潔を心掛け、定期的に清掃するようにしましょう。
 工場内には調理器具や清掃用具、機械整備用の工具などさまざまな器具や道具があります。洗浄する用具にも、床を掃除するもの、調理器具を洗うものなどさまざまな種類があります。使用用途、特に汚染度の違うものを同じ場所で保管すると、器具同士が接触するなどしてきれいなものを汚染してしまうおそれが出てきます。使用用途の異なるものを同じ場所に保管することは避けましょう。
(2024年12月号掲載)

製造現場における使用備品

 木製やガラス製の器具は、劣化してササクレができたり、割れたりしやすいものです。作業中にササクレやヒビがあるものをそのまま使った場合、製品に破片が混入する危険性があります。木片やガラス片は硬くとがっていることが多いため、誤って食べた人がけがをしてしまう可能性が高いのです。事故につながる危険性が高い木製やガラス製の器具は、使用しないようにしましょう。またやむを得ず使用する場合には、使用する前にササクレやヒビがないか、必ず確認してから使用するように心がけましょう。
 また、製造器具だけではなく、使用する文房具などにも注意が必要です。折れ刃式カッターの刃先や鉛筆・シャープペンシルなどの芯は折れたことがわかりにくく、折れた際に探すことも困難です。もしカッターの刃が製品に混入してしまったら、大事故につながります。そのようなことを避けるために、多くの工場では壊れたことや破損したことがわかりにくいものは使用禁止になっている場合があります。工場の中で使用禁止と決められているものは、勝手に持ち込んだり使用したりしないようにしましょう。特に筆記用具などは自分が使いやすいものを使用したくなってしまいますが、備品は必ず会社から支給されているものを使用するようにしましょう。
(2025年1月号掲載)

帽子やマスクは正しく着用しよう

 帽子やマスクは、作業をしている皆さん自身から落下する髪の毛などの異物が、製品に混入するのを防ぐために着用しているものです。
 作業中に帽子から髪の毛がはみ出していると、製品に落下する危険性が高くなってしまいます。また、入場時にはしっかりかぶれていても、作業をしている間に徐々に髪の毛がはみ出してしまう場合があります。特に、こめかみや襟足ははみ出しやすいので注意が必要です。作業中も、帽子から髪の毛がはみ出していないか定期的にチェックしましょう。自分自身のことは見えないので、近くの人とお互いにチェックし合うのも良いでしょう。
 鼻は常に空気が出入りしているところです。また、鼻の中には食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌がいることがあります。ラインでは前かがみになって作業を行うことが多いと思いますが、マスクで鼻を隠していないと、細菌の落下や付着により製品を汚染する可能性があります。また鼻毛が抜けて製品に混入してしまうことも考えられます。しっかり鼻までマスクをして、体毛の混入や細菌の汚染を防止しましょう。
 不用意に帽子やマスクに触ると、入場時にチェックしたとおりの正しい状態を保つことができなくなってしまいます。作業中は、帽子やマスクに触らないようにしましょう。
(2025年2月号掲載)

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