イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

COLUMN

- コラム

「月刊クリンネス」に掲載された
過去の連載コラムの中から、
テーマ別に選りすぐりの記事をご紹介します。
(執筆者や本文の情報は執筆時のものです)

食品工場での衛生管理のポイント(3)

イカリ消毒編『食品工場必携 食品衛生べからず集』(2009年発行)改編

手袋は正しく使用しよう

 規則どおり使用されている清潔な手袋に比べると、いくら洗っても素手は汚れています。汚れていないと思っても、雑菌で汚染されているかもしれません。雑菌で汚染された手で食品を取り扱うということは、すなわち食品に雑菌を付着させ、汚染させるということです。汚染は目に見えにくいため、意識して食品を取り扱いましょう。
 汚染された食品は、その後どうなるでしょう。食品によっては、すぐに腐ったりカビが生えたりして、製品として出荷できなくなってしまいます。またそれに気づかず喫食してしまうと、最悪の場合、食品事故になってしまう恐れもあります。
 ただし手袋をしても、その手袋が汚れていると、雑菌の汚染や異物混入の原因となってしまうことは、容易に想像できると思います。使い捨ての手袋を繰り返し使用するのはもってのほか。一般の作業用手袋も「もったいない」、「まだ使える」と考えず、決められたとおりに交換するようにしましょう。
 また手袋が破れていると、汚れた手が製品に直接触れることになります。破れたままの手袋を使い続けるとさらに破損箇所が広がり、その破片が異物混入につながる危険性が高まります。破れを発見したら、すぐに交換するようにしましょう。
(2025年3月号掲載)

移動するときの服装はルールに従って

 工場内の清浄度は、製造している食品が汚染されないように、その重要度によって分けられています。これを無視して清浄度の異なる部屋をそのまま行き来すると、作業着や作業靴に付着した異物や雑菌を清浄度の高いエリアへ持ち込んでしまうことになります。清浄度の高いエリアに行く場合には、ルールに従って着替えや靴の履き替え、エアーシャワーなどを行いましょう。
 また、作業着や作業靴は、直接食品に触れる場所で着用するものです。そのままの格好で外部に出ると、作業着や作業靴の隙間などに石や異物などが付着し、場内に持ち込んでしまうことにもなりかねません。また雑菌による汚染を広める危険性も生じます。作業着や作業靴のまま外部に出ないようにしましょう。エプロンや手袋も同様です。「ちょっと食事」、「ちょっとトイレ」というようなとき、エプロンや手袋は邪魔になりますから、「すぐ着るから、ちょっとここに置いておこう」となりがちです。しかし、本来は置いてはいけない場所に置くと、汚れの付着や破損の原因となり、それがそのまま製品への汚染や異物混入につながってしまうおそれがあります。いわゆる「チョイ置き」はしないようにしましょう。そして、再度入場する際には、着衣着帽のチェックを忘れないようにしてください。
(2025年4月号掲載)

洗浄の手順と頻度は決められたとおりに

 皆さんの工場で日々行われている洗浄は、使用後の包丁やまな板、床などをきれいにし、食中毒の原因となる雑菌を取り除くために行うものです。そして、その洗浄手順や頻度は、製造環境や機械・器具の汚れ具合、衛生の度合いなどによって決められています。「きれいだから」、「一日くらいやらなくても」など、自分の判断で洗浄の手順を省いたり頻度を勝手に減らしたりすると、汚れが固まって、通常の洗浄方法では落ちなくなってしまいます。また、汚れを栄養として雑菌や虫の繁殖源になり、食中毒を起こす原因となることがあります。定められた洗浄の手順と頻度の意味と重要性を考えて、決められたルールで適切に洗浄を行いましょう。
 さらに、機械の分解洗浄時、「分解して洗浄すれば」作業は終わりと思っている方がいるかもしれません。機械を分解して洗浄した場合、元どおりに部品を組み立てるのもきわめて重要なことです。特にネジやパッキンなどの部品が混入異物になりやすいだけではなく、部品が不足していたりきちんと組み立てられていなかったりすると、機械が正常に動かないことがあります。したがって、分解洗浄の終了時には「余っている部品はないか」、「適切に組み立てられているか」など、確認を怠らないようにしましょう。
(2025年5月号掲載)

薬剤使用の注意

 工場内には、汚れを落とす洗浄剤(台所用洗剤、石鹸、洗剤等)や細菌を殺す殺菌剤(漂白剤、アルコール製剤等)などさまざまな薬剤があります。これらを勝手に持ち出し、使用することは、薬剤の取り違いなどを引き起こす要因となります。また、その役目や効果はそれぞれ異なり、間違えるとせっかく清掃・洗浄しても適切な効果が期待できないだけではなく、食品中に残ってしまうなど重大な事故を引き起こす可能性があります。薬剤を取り扱う際には、しっかり工場のルールを守りましょう。そして、薬剤のラベルを見やすくする、保管場所を決めるなど、洗浄剤と殺菌剤を間違わないようにしましょう。
 洗浄剤や殺菌剤は、対象に適した濃度に希釈することで、その効果が得られます。濃度が低いと汚れが落ちなかったり、細菌を殺すことができなかったりします。また逆に濃度が高いと手が荒れたり、人体に有害な影響(吐き気、気分が悪くなる、目の痛みなど)を与える可能性があります。洗浄剤や殺菌剤は、目分量ではなく計量カップを用いてきちんと計量し、適切な濃度にして使用しましょう。清掃・洗浄を行う際には、決められた手順をきちんと守るとともに、食品の入った容器のふたが閉まっていること、周辺で調理をしていないことを確認してから行いましょう。
(2025年6月号掲載)

清掃用具使用の注意

 皆さんは、清掃用具を使用した後に、面倒くさいからといって元の場所に戻さず、部屋の隅や製造ラインの付近にいわゆる「チョイ置き」をしていませんか。清掃用具は多くの人が共同で使用するものですから、これでは別の人が使用できなくなり、清掃をする気も薄れます。チョイ置きをしてしまう原因を考え、「決められた保管場所が遠い」など、場所が適切でない場合は、使用中の一時置き場を決めるなど、誰もが常に使える状態にしておきましょう。
 また、清掃用具は、汚れを取り除いて衛生的な製造環境を維持するためになくてはならない道具ですが、清掃用具は常に汚れが付着しやすく、清潔な状態での管理がしにくいものです。しかし、「きれい」にするための道具が「汚れた」道具になっていては、いくら清掃しても衛生的な製造環境は得られません。清掃用具の衛生的な管理は、清潔な製造現場づくりの基本といえます。
 清掃用具は日常的に使用するため、知らないうちに壊れていることがあります。清掃用具を壊れている状態で使用すると、適切に清掃できないだけでなく、清掃用具の破片が工場内の至る所に散乱し、製品に異物として混入するおそれがあります。清掃前に壊れていないか点検し、壊れているようであれば、無理に使用せず交換しましょう。
(2025年7月号掲載)

破損箇所を放置しない

 工場の機械や壁などに塗られている塗料が、さまざまな要因によりめくれてきてしまうことがあります。塗料片が製品に混入するおそれがありますので、めくれてきた塗料を見つけたら放置せず、剥がれ落ちる前に取り除きましょう。
 また、作業中にものなどがぶつかり、機械を破損させてしまうことがあります。そのまま作業を続けると、破損した際に飛び散った破片が製品に混入したり、さらに破損がひどくなってその破片が混入したりすることもあります。破損を放置したまま機械を使用しないようにしましょう。どうしてもそのまま作業を続けなくてはならない場合は、破損部分に仮補修(一時的な補修)を行いましょう。その際、劣化しやすく一部がなくなっても確認できないもの(針金、ガムテープ、ビニール紐など)を使用すると、それ自体が異物混入の原因となってしまいますので、使用しないようにしましょう。
 ただし、仮補修はあくまで”仮“、応急処置的な補修です。いかに劣化や破損しにくい材料で補修しても、完全に修繕されたわけではありません。仮補修の箇所が次第に劣化することもよくあります。機械を動かすのに支障がないからといってそのままにせず、本補修の計画をしっかりと立て、実行するようにしましょう。
(2025年9月号掲載)

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